最近、無印団地や、IKEAとコラボのお家などといった、時の流れで古くなった住宅を住みたい家によみがえらせる「リノベーション」なんて言葉をよく耳にするようになりましたよね。見た目もオシャレで、見ているだけでもワクワクしてしまう、リノベーションの家。しかし、もっと詳しく見ていくと、環境にもお財布にもとってもやさしいエコな魅力も詰まっているようです。ただただ今の流行りもの、といった風ではありません。
そこで今回は、リノベーションのエコな魅力にせまり、どのようなメリットがあるのかをお伝えします。どうぞご覧ください。
1. リノベーションはとってもエコ!【環境編】
そんなリノベーション、一体どう環境にエコなのでしょうか。まずは、「環境」に特化してみていきます!ここで、まずは知って欲しい「3R」という言葉に注目しましょう。
3Rとは
- リデュース(Reduce) そもそも無駄がないように物を大切に使う事で廃棄物がでない様にすること
- リユース(Reuse) 使用済みになったとしても、その中でもう一度使えるものを廃棄せず使うこと
- リサイクル(Recycle) もう廃棄するしかなくなったものを、再生資源として再利用すること
といった3つのRをリノベーションは実施しています。中古住宅を活用するリノベーションは、環境への負担が少ない事が大きな特徴なのですが、これは見るからにエコを感じてしまいますよね。
例えば、住まなくなった住宅は、住まずに利用価値がなくなると解体しますが、こうして一軒取り壊す時、実は、驚くほどの廃材がでてしまいます。例えば建築物の規模にもよりますが、RC造(鉄筋コンクリート造)の建物を建替えにより新築する事で10tものCO2が排出されます。
しかしこれを建替え・新築ではなくリノベーションにより再生するのであれば、約3%程度である0.3t程度で済むという研究結果も出ています。なんと、約9.7tものCO2排出量を削減する事に成功!というです。住まなくなった家を壊さずに、リノベーションして再生し誰かが利用する。ということはこんなにもエコなことということが分かりました。リノベーションのエコの1つ目が見えてきましたよね。
それでは、次は、住宅で多く使われる、木材について見ていきましょう。
日本は実は世界有数の森林国ということを知っていましたか?国土面積に対して森林の面積が占める割合は約66%。つまり国土の3分の2が森林です。しかし一方で日本は、世界有数の木材輸入国でもあります。少々専門的な話になってきますが、下記のグラフを見ていただくと分かる通り半分は天然林、そして約4割を人工林がしめていることが解りますよね。更に専門的な内容になりますが、その人工林には”育成林”というものが含まれていて、この”育成林”というところが、日本が木材を輸入することに大きく関係しているのです。
木材の背景を知ってもらうために、育成林についてちょっと詳しく見ていきましょう!
ご存知の方も多いかもしれませんが、育成林というのは、その名の通り、人間の手によって植樹し育てるもの。使える木に成長するまでかかる年数は、なんと70年以上。現在利用できる育成林は昭和20年代半ばに植樹されたものとなります。70年以上かかった木材を利用しているなんて、なんだか住むために使っている木のありがたみが深まってきますよね。
4割の育成林の中には、こうやって育った昭和20年代のものもあれば、今日植樹されたものも。ですので、利用できる木材となるともっと割合は減ってしまい、輸入に頼らざるをえないと言うわけです。
そしてもう1つ、国土の3分の2が森林といっても安心できないことがわかる資料があるので見ていきましょう。次の表は、森林率とは国土面積がわかる表で、その内容見てみると、森林率の順位は日本が1位。しかし、国土面積でいうと61位という内容。世界第1位のロシアと比べてみると、日本の森林の面積はロシアの3%程度だということがわかります。
国土面積 順位 | 国土面積 (km²) | 森林率 順位 | 森林率 (%) | 森林 面積(km²) | |
ロシア | 1位 | 17,098,242 | 4位 | 49.4 | 8,446,532 |
日本 | 61位 | 377,930 | 1位 | 66.0 | 249,434 |
こういった背景もある中で、「建てて壊す」を繰り返すのではなく、今ある建物を大切にし、新たに再生する。それは日本の森林を守るためのエコにも繋がることなのです。
古いもの=必ずしも悪いものという訳ではありません。中古住宅を素敵にリノベーションすることがエコにつながるなんて、なんだか、リノベーションへの関心が増してくるようですよね。では次に、お金編へと進んでまいります!
2. リノベーションはとってもエコ!【お財布編】
では早速、リノベーションがお財布にもエコな理由へと進んでいきましょう。
1つ目としてリノベーションには資産価値が変わりにくいという特徴に注目です。
新築住宅は「新しい」という事に価値がある為、どうしても築年数により資産価値が変化してしまいます。その内容を見てみると、新築の価値は15年程度でなんと半分くらいの価値にまで下がるといわれており、その後はあまり変化がないという特徴が。
新築で購入されたAさんと、中古住宅を購入されリノベーションをされたBさん。二人が購入してから15年後に売却した場合を比較してみると、驚くべき結果が!なんと資産価値が約半分になってしまった新築のAさんに対し、中古物件をリノベーションしたBさんは購入時とほとんど差額がなく売却する事がでました。 そもそもの初期費用を安く抑える事ができる上、資産価値についてもほとんど変らないだなんて、新築とリノベーションのどちらがお財布にエコなのかは、明らかですよね!
2つ目の内容は、環境編にも登場した「廃材」についてですが、これはお金面にも直結する問題である事が解りました。中古物件を壊して、新築に建替えとなると、廃材の処分にも費用がかかります。一方でリノベーションであれば廃材を流用する事もできて、廃棄物も建替え・新築の約3%程度で済むので、これら廃棄物の処分費用を軽減する事が可能という訳です。
そして最後に、地方公共団体による住宅補助制度を使ったリノベーションがお財布にとってもエコなので見ていきましょう。知っていましたか? 国や地方公共団体では、安心して住宅のリフォームやリノベーションができるように、様々な支援制度が用意されています。
減税制度 | 一定の要件を満たすリフォームやリノベーションを行うと税の優遇を受ける事ができる制度。行う種類や内容により、利用できる減税制度が異なる為、事前の確認が必須! |
補助制度 | 質の高い住宅ストックの形成や子育てしやすい環境の整備を図るため、既存の住宅の長寿命化や三世代同居など複数世帯の同居の実現のために行われるリノベーションに対して、国が費用の一部を支援する事業です。 |
融資制度 | 中古住宅を購入してリノベーションをする場合に対象となる住宅ローンや、満60歳以上の方を対象としたものなど、リノベーションの為に特別に用意されているローンがあります。 |
その他 | その他の制度として、重大な欠陥があった際に購入者の方を守る為の瑕疵(かし)保険や消費者相談などを行っており、安心して購入できる様にサポート! |
主な支援制度の種類は、上の4つ。
まとめると、「省エネ性能を上げる為の改修工事」や、増改築による「長期優良住宅の認定」を受けると、所得税の控除や固定資産税の減額措置を受ける事ができるということ。これは中古物件だからこそ使える制度なので、知っている人と知らない人では、同じ物件を購入した時に、大きな差が生まれそうですよね。制度を利用する・しないで、お財布にかかる負担も変わってきます。これは、ぜひとも利用したいもの!
しかしこれらの支援制度は、利用するには市町村ごとに制度の期間や、工事完了期間など、要件が細かく決められています。ですから、まずは、自分が住みたい所ではどのような制度があるのかをじっくりと調べる所から始めなければなりません。それに加え、制度さえ知っていればどの物件でも利用出来るかというと、残念ながら、そう簡単なステップでもないんです。実は、そもそもリノベーションに向いている物件と向いていない物件といったものがあるので、これを見極める必要もあります。
例えば「壁を抜いて広いリビングにしたい!」「窓をもっと大きくして自然光をとりいれたい!」という希望があったとしても、2×4(ツーバイフォー)という工法で建てられた家は、壁面で強度を保つ為に間取りの変更や開口部を大きくとる事が性質上難しいなんていった具合。
そう、リノベーションとエコを実現にする為には、物件の選び方、改修の方法や時期、お得な制度の利用の仕方などなど…知っておいた方がいい事がたくさんです。しかし!安心してください。
「リノベーションって環境にもお財布にもエコで素敵だけど、なんだかちょっと大変そう……。」といったお悩みを解決するために、こうべリノベーション不動産では定期的に、プロの建築士による中古の家の選び方セミナーを開催し、少人数で行われる為、本当に聞きたい事をじっくり聞く事ができます!
分からない部分は、上手にプロの知識も利用する。これもエコなリノベーションを実現するための1つの方法です。 素敵なマイホームを実現していただくために、知っておきたいポイントをお伝えしていますので、お気軽にご参加ください。
3. リノベーションをエコにする為に、知っておいて頂きたいこと
さて、リノベーションが環境にもお財布にもやさしいエコなお話、そしてメリットをお伝えしました。
この内容を通して、
- リノベーションは廃棄量やCO2排出量の軽減で環境にやさしい
- 新築の価値は15年で半分位に下がる場合もあるけれど、リノベーションは資産価値がほとんど変わらない
- リノベーションならではの、地方公共団体による住宅補助などお得な制度がある
ということが、わかりましたよね。
ちょっとした専門知識やお得な制度を知ることで、素敵なリノベーションだけではなく、かしこくエコにリノベーションできることも見えてきました。分からないことは、プロの知識もかりながら、そして自分らしい家づくりを実現していく。こうやって少しずつ色々なことを知って、素敵なリノベーションを実現したいですよね。
環境にもお財布にもとってもやさしいエコな魅力が詰まったリノベーション。どうぞ楽しんで挑戦してみてください!