中古住宅購入時に必要な建物調査(インスペクション)って?


◆購入経験者の65.5%が建物調査をしらない。

最近、「中古住宅を買って、リノベーションしよう」というフレーズを、様々なところで見かけます。低価格で、自分好みの家に住めるということに魅力を感じる世代が増えています。ただ、中古住宅購入時には、「買ったあとにもし雨漏りしたら・・・」「もしかして、床が傾いているのでは・・・」など、通常の物件内覧時には即座に判明できない不安がたくさんあります。そのため、価格が安いと思っても購入を決断するには、ハードルが高いのが現状です。その不安を解消するのが、「インスペクション」といわれる建物調査です。購入するかどうかの判断のため、建築士等専門家による事前検査を行い、床の傾きや、雨漏りの不安などを確認します。ただ、多くの方は、こういったサービスがあることも知りませんし、まだまだ一般に普及しているとはいえません。

◆国交省主導でインスペクションの整備が始まっています。

では、どういった点を調査すればよいのでしょうか。平成25年6月に、国土交通省にて「既存住宅インスペクション・ガイドライン」が発行されました。現在、民間事業者により実施されている「インスペクション」といわれるサービスには、中古住宅の売買時検査のみならず、新築入居時の検査やリフォーム実施時に行うものなど様々あります。それを大きく3つの段階に分け、その中で、中古住宅購入時に、不動産購入の取引に合わせて行うことができる建物検査というものをガイドラインが提示しています。その検査では、物件購入前に確認する程度ですので、壁を壊したり、はしごを使って屋根に上がることなどはしません。また、すべての検査は概略60分~120分ぐらいの間で終わることがほとんどです。

インスペクション・ガイドラインより

◆インスペクションは、その目的をはっきりさせることが重要です。

2時間の検査においても、建物のすべてを把握することは不可能です。インスペクションの費用を負担して、建物を検査しても、結果、その建物が100%問題ないと言い切ることはできません。自らの物件購入基準において、何をクリアすれば購入の決断ができるかをインスペクションの内容と照らし合わせて考えないと、無用な資料となってしまいます。壁が撤去できるかを検討するのであれば、撤去してもよい壁かどうかを「耐震診断」することが必要ですし、フラット35が使えるのかを検討するのであれば、適合技術者による検査が必要となります。自分の思い描くリフォームにどのぐらいの費用がかかるのかを知るには、リフォーム会社に相談しなければならないでしょうし、そのためにかかる時間を、不動産仲介会社に物件を押さえていただくようにお願いしなければなりません。まずは、「インスペクション」をお願いする際は、何のために行うのかをお考えいただき、ぜひ、建築士等プロの意見を活用のうえ、安心の中古住宅探しを行っていただければと思います。